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「イブラヒムおじさんとコーラン」 
2003年 フランス映画

 

 パリのユダヤ人街に住む13歳の少年モモは、母が兄を連れて出て行ってしまった家で、自分を愛してくれない父と暮らしている。ある日近所の食料品店で、その主人であるトルコ人・イブラヒムと出会い、深い愛情と洞察力、それらの詰まった言葉に触れて成長してゆく。人種や年齢、宗教のちがいを超えて支えあう心の交流がさわやかだ。華やかなパリのイメージとは異なる、うらぶれた下町の通り。そこに立つ娼婦たち。主に少年の家とイブラヒムの店を往復するカメラは、父が失踪してイブラヒムが少年を養子にした後、一転してロードムービーに変わり、イブラヒムの故郷・トルコの「黄金の三日月地帯」を目指してスイス、アルバニア、ギリシアを駆ける。

原作「Monsieur Ibrahim et les Fleurs du Coran」の前書きによると、この作品はもともと作者の祖父の思い出をもとに書いた一人芝居のための脚本で、それを小説にしたのだという。それを映画化したのがこの映画らしい。

 映画では少年モモは13歳だが、原作ではなんと11歳で、同じく貯金箱を壊して娼婦を買う。映画のイブラヒムは店の中を歩き回って活動的だが、原作の彼がイスから立ち上がるのは一度だけで、決して動かないのが彼の特徴になっている。

 このほか細かいちがいをメモしていたので、それを記すと・・・

○娼婦のバックを泥棒から取り返してあげ、お礼に娼婦に誘われる場面、原作では彼女を年寄りだと思うものの、傷つけまいとして応じる。

○原作には、父に「神を信じる?」と聞いて、「ユダヤ人であることはただ悪い記憶をもつこと」と父が答える場面や、父の苦悩についてイブラヒムがモモに語る場面がある。

○「ポポロより好きだ」というイブラヒムに「兄の悪口を言うな」とわざと怒ってみせる場面は映画にはない。

○原作に初恋の少女ミリアムのことが出てくるのはわずか。

○原作では、旅行に出るときハンドルを握っているのはイブラヒムではなくモモ。

○イブラヒムの故郷に着いてのち、戻ってこない彼を案じて村のほうに歩いていくのは、原作ではシエスタの時間から真夜中まで待ってから。

○原作では、大人になってからのモモが、母とその夫と食事を取り、のちに自分の妻と子供たちとともに彼らを訪ねる。

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